就任4年で3度のAクラスに導き、今年は22年ぶりの2位に躍進した横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督の続投が決定した。
前身のホエールズ時代を含む1980年からの40年で、3度のAクラス経験は権藤博監督(1998~2000年)以来2人目。5年目に突入する指揮官は初めてである。
球団史を振り返れば、広島で4度の優勝、3度の日本一に輝いた古葉竹識監督は3年、西武の8度の優勝、6度の日本一を成し遂げた森祇晶監督は2年で退任している。当時と現在の戦力に差があるとはいえ、ラミレス監督は確実に成績を残しているといえるだろう。
しかし、クライマックスシリーズ(以下、CS)では、一部評論家やファンから采配に対する批判も出ている。シーズン中からラミレス采配には賛否両論が渦巻いており、続投を疑問視する声も出ていた。
はたして、ラミレス監督の采配をどう評価すべきなのか。野球担当記者が話す。
「常識では考えられない采配をするので、当たれば名将と称えられますし、外れれば愚将と叩かれやすいんです。いずれにしても、世間体を気にせず、自分の思った采配をふるう勇気を持っており、勝負師には向いていると思います」(以下同)
阪神とのCSファーストステージ初戦、ラミレス監督はチーム最多勝の今永昇太ではなく石田健太を先発に持ってきた。石田は2017年から2年連続開幕投手を務めているが、今年は主に中継ぎで起用されていた。“エースを初戦にぶつける”という常識を度外視した選択は石田が4回1失点で切り抜けたことで、大きな批判には至らなかった。その後を受け継いだ今永も2回無失点と好投。ラミレス監督の策はハマり、この時点でチームは7対1と大きくリードしていた。
しかし、7回表バリオスを投入すると、状況が一変する。一死を取った後に連打を浴びて1点を失い降板。代わったエスコバーが北條史也に3ランを浴び、7対5と2点差に。エスコバーは8回も続投したものの、1点差に詰め寄られる。なおも二死1、3塁の場面で国吉佑樹が登板したものの、北條に逆転三塁打を打たれた。