明日10月12日にも東日本を直撃するとみられる「台風19号」。警戒を強めている気象庁は、9日に続き11日朝にも記者会見を開き、記録的な大災害になる可能性を指摘した。
会見では「狩野川台風に匹敵する大雨となるおそれもある」と、歴史に残る大災害を引き合いに、警鐘を鳴らした。
狩野川台風といえば、1958年(昭和33年)に南関東を襲い、伊豆半島の狩野川の氾濫などによって死者・行方不明者1200人以上を出した台風災害。当時は伊豆半島のほか、東京でも大規模な浸水が発生。
当時の浸水は、いわゆる海抜ゼロメートル地帯である東京・江東区や墨田区だけではなく、世田谷区など山の手地区にも被害が広がったことが特徴的だった。原因は記録的な豪雨だったが、今回はそれに匹敵する雨量が予測されている。
気象庁は「非常に発達した雨雲がかかるため、広い範囲で記録的な大雨となる見込み。大雨特別警報を発表する可能性がある」と警戒を呼びかけている。
水害の際にまず駆け付けてくれるのは管区の消防職員だが、台風にはどのような体制を準備しているのか。
1万8000人の消防職員を抱える東京消防庁では、台風などの水害に対しては「水防非常配備態勢」とう非常シフトが敷かれ、人員増強が行われることになっている。今回の台風19号に対してもすでに発令に向けて準備されているという。
東京消防庁企画調整部広報課の担当者が語る。
「台風19号により出動が多くなると見込まれますので、発令があり次第、非常配備態勢を敷きます。『水防第1非常配備態勢』から『水防第4非常配備態勢』までがあり、配備される職員が増えることになっています」