連日、テレビ報道などでドライブレコーダーの映像が流され、社会問題化している危険な「あおり運転」問題。この秋、ドイツで開催された国際自動車ショーを取材したモータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏は、ドイツの道路事情や現地ドライバーの運転マナーを目の当たりにし、日本であおり運転が横行する要因を探った。
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9月にドイツのフランクフルトで行われたモーターショーを取材した。例年通り、会場近くのホテルからトラムで取材に出かける日々を送ったのだが、今年はいつもよりも、少し日程を多くとってフランクフルト以外の街にも足を延ばしてみた。
目的地は2つ。シュツットガルトとニュルブルクリンクだ。シュツットガルトにはメルセデス・ベンツとポルシェのミュージアムがある。そしてニュルブルクリンクには、自動車開発の聖地でもあるニュルブルクリンクサーキットがある。これらを見て回ったのだ。
もちろん移動はクルマ。3日ほどかけて高速道路であるアウトバーンを500kmほど走り、フランクフルト、シュツットガルト、ニュルブルクリンクの3か所を巡った。
◆追い越し車線は時速200km以上、通常走行レーンも時速140km
ドイツと日本では交通ルールが違うが、左側通行と右側通行の違いこそあれ、信号への対応は同じであるし、基本的な部分は日本とそれほど変わらない。同じようにアウトバーンも、それほど日本と違うわけではない。
大きな違いは、ドイツには「最高速度無制限の区間がある」ことだろう。ただし、どこもかしこも高速道路が速度無制限なわけではない。ドイツでも最近では「時速120kmまで」「時速100kmまで」という速度制限区間が増えている。そうしたところでは日本とまったく同じだ。
ちなみに、速度無制限の区間では、通常の走行レーンは時速130~140kmで流れている。一番遅いレーンには、トラックやキャンピングカーを曳いたクルマが時速100kmほどで走っている。そして、一番中央に近い追い越しレーンは、時速160km以上で流れており、たまに猛烈な勢いで、おそらく時速200kmを超えるクルマが走り去ってゆく。