コメントからもわかるが、指原にとって前作までの『バチェラー・ジャパン』はどこか他人事だったのだろう。しかし今作は違う、妙に感情移入し観入っている。離婚し、11歳の子供を育てつつバチェラーに参加する女性に「お母さんでも恋愛してもいい、頑張って欲しい」と涙を浮かべてエールを送ったりもする。
シーズン2のコメンテーターを務めていた頃、指原はアイドルグループHKT48のメンバーだった。あくまで恋愛禁止の身である。しかし、卒業し自由となった今「結婚」が身近なものになったのか。コメントから棘は消え、どこか母性めいた慈愛ものぞく。
『バチェラー・ジャパン』シーズン3の指原を観て気づく、シーズン2が配信された1年前とは別人である。恋愛、いや結婚にすごく前向き。すでに相手がいるように勘ぐってしまうほどマジ、画面からは「私も幸せな結婚がしたい!」といった気持ちがこぼれ落ちる。
そして、未だに20台前半の女性との交際を望む今田と藤森には哀れみの目を向ける。指原が夢見る男性陣に「(女性の心情)わかってない!」とツッコむ回数が、結婚観の描写が色濃くなる後半パート、更に増えていきそう。その際、どんな言葉を駆使して怒るのか。今から楽しみで仕方ない。
●ヨシムラヒロム/1986年生まれ、東京出身。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使。五反田のコワーキングスペースpaoで週一回開かれるイベント「微学校」の校長としても活動中。テレビっ子として育ち、ネットテレビっ子に成長に成長した。著書に『美大生図鑑』(飛鳥新社)