突然の“コンサート中止”により、日本からもファンが駆けつけた台北アリーナは熱気に包まれていた。期待に応えるべく、彼らは歌い、踊り、宙に浮く。行きたくても行けなかった。そんな人のために、超貴重なライブ内容をお届けする。
「タイワンダダージャジュデンラ!(台湾の皆さん、お待たせしました)」
薮宏太(29才)が流暢な中国語で呼びかけ、高木雄也(29才)が、
「ウォイーヂーシャンジャダージャ(ずっときみたちのことを考えていました)」
と笑顔を見せると、満員の会場は大歓声に包まれた。
10月5・6日、Hey!Say!JUMP(以下JUMP)が台北アリーナで7年ぶりの台湾公演を開催。2日間で約2万2000人を動員した。
「地元台湾のファンはもちろん、香港や韓国から駆けつけたファンもいました。前半のMCはオール中国語で、最後まで日本語は話さないのかな? と思ったほど、地元ファンにも楽しんでもらおうという気配りがみえました。日本から参加したファンも大勢いて、そんなメンバーの気遣いに頬を緩めていました」(参加したファン)
この台湾公演は、日本のファンにとって特別なものだった。5月19日、JUMPは、2007年のデビュー以来続けてきた、アリーナ会場でのコンサート開催の見送りを発表した。一部ファンによる迷惑行為を問題視した、苦渋の決断。
国内でメンバーに会える機会が消滅したことで、台湾公演が貴重な場となった。チケットは入手困難となり、ファンクラブ会員向けに、チケット代込みで2泊3日、約15万円のツアーが組まれ、3000人ほどが参加した。
メンバーは海外のファンにも日本のファンにも楽しんでもらえるよう、入念な準備をしていたようだ。
「中国語マスターのため、約1か月の猛勉強をしたようです。和の演出にもこだわり、メンバーの希望でKinkiKidsの堂本光一さん(40才)に演出のサポートを依頼しました」(公演関係者)
◆7年ぶりに全員が宙づり
オープニングで東京から台北まで移動する様子をまとめたVTRが流れると、ファンのボルテージは一気に上昇。メンバーが登場すると、ファンの絶叫が会場にこだました。
「メンバーはみんな気合が入っていて、1曲目の『「ありがとう」~世界のどこにいても~』から汗だくでした。特に山田(涼介)くん(26才)は頭を振るたびに汗が飛び散っていて、最初から全開のパフォーマンスでしたね」(前出・参加したファン)
9曲目の『Born in the EARTH』では、前回の台湾ツアー以来となる“フライング”に挑戦。メンバー全員が高所で宙づりになって歌う演出で、堂本がより美しく見えるようにと丁寧に指導したといわれている。
「王子様のような白い衣装を着たメンバーが、全員手をつないで上空で回るんです。幻想的な光景で、まるで夢を見ているようでした。フライングの直前、メンバーが互いの背中に命綱をつけ合うのですが、その姿からみんなが信頼し合っているのがわかって胸が熱くなった。フライングは後半の『AinoArika』でもやってくれて、その時はゴールドの衣装に照明がキラキラ反射していて、ゴージャスでした」(前出・参加したファン)