女性セブンの名物記者アラ還ライターのオバ記者こと野原広子。なんと、62才でラジオデビューを果たした。一体どうして? そしてどんな話をしたの? 驚きの初体験を語る。
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なんと、ラジオに出演しました! 市区町村など一部地域で放送されるコミュニティーラジオで「渋谷のラジオ」というのがあるんですが、その中の『渋谷の昼下がり談話室』という番組です。
東京・渋谷ではFMラジオ(87.6MHz。毎週水曜15時~15時30分)で。ほかの地域でもスマホで「渋谷のラジオ」のアプリをインストールすれば聴くことができます。
って、実は私もラジオの電波以外で聴けるラジオ番組があるなんて、自分が出演するまでまったく知らなかったんだけどね。なぜまたこういうことになったかというと、話は本番の4日前にさかのぼる。
女性セブンの投稿ページのレギュラー・ハセジュンこと長谷川純子(アラフィフ)が4か月前からその番組のパーソナリティーを務めていることは聞いていたの。
彼女はかわいい顔して、妙なクセがあってね。いったんスイッチが入ると、周りが「どうした?」とドン引きするほど、お色気話が止まらなくなる。
「結局、人格の問題よね~」なんて誰かの悪口を言っていると、「いやん。インカクなんて、そんなところ見たんですか? ひゃはは」とか。
実は彼女、小説も書いているんだけど、それもあるのか、やたら画数の多い怪しい言葉を知っていて、危ない言葉が口からバンバン飛び出してくるの。
そのトーク力が認められてラジオ番組を持つまでになったんだから、大したものよ。そのハセジュンが涙目で、「身辺にいろいろあって、1人で30分ぶっ通しで、お色気話を背負うの、つらいんです。助けてもらえますか?」と助けを求めてきた。
60才になった時、「来た球は打つ」と決めた私に、断る理由はないわよ。人前で話すのは、茨城弁が出るので苦手だったけど、小学6年生を国会議事堂に案内するアルバイトを始めて8か月。
たまに代議士のあいさつの“前座”を務めることもあって、黄色い帽子の子供相手に声を張り上げているし、「まあ、なるようになるだろう」と。
でも、いざラジオブースに入ってみると、いやいや、とんでもなかったね。
再開発中の渋谷川のほとりの一角にあるガラス張りのスタジオの前には、20代の男の子が2人、地べたに座っているだけで人通りもまばら。
それでも見たことのない大きなマイクを顔に近づけ、ヘッドホンをつけられたら、急に周りの空気が薄くなっちゃった。
「で、何の話をするんだっけ? あ、そうだ。微かな昼下がりの恋バナね」
ライターという仕事を始めて約40年。こんなに心拍数が上がったこと、ないわよ。
「5・4・3・2、ハイ」と20代のディレクターが、小さく指を折ると、「こんにちは~」とハセジュン。あんた、どこからそんな高い声を出しているの?