実りの秋が到来し、旬の魚や野菜をついたくさん買いたくなる。そんな時は、「塩フリージング」がおすすめだ。冷凍する前に塩を使ってひと手間かけると、野菜や肉、魚などの食材がおいしく長く保存でき、調理が断然ラクになる。
料理研究家で塩フリージング考案者の濱田美里さんはこう語る。
「そもそも、冷凍保存をすれば食材を長持ちさせられます。しかし、塩ゆでや塩もみをするなど、塩を食材に加えてから冷凍した方が、よりおいしく保存できるんです。少ない塩分でも、冷凍することで食材の内側まで下味がしっかりつくので、調理時に新しい下味を加える必要がなく、無理なく減塩できるのもメリットです」
冷凍するにあたっては、ジッパー付き容器に入れたり、ラップで包んだりする。
基本的に食材の重量に対して1%の塩を使うのだそう。興味津々の塩フリージングについて、濱田さんが疑問に答えた。
Q:保存容器やラップで保存してもいい?
A:塩フリージングでは、食材をできるだけ空気に触れさせずに冷凍することが大事。ラップに包んだだけ、保存容器に入れただけでは、空気が入りやすく、劣化が進みやすい。冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍すること。
Q:どんな塩を使ったらいい?
A:普通の食塩で構わないが、ミネラルや旨み成分が豊富な天然塩を使うと風味がアップ。冷凍中・解凍中に塩が食材の内部まで染みこんでいくので、塩の種類が出来上がりの味を左右する 。
Q:保存期間は?
A.長く冷凍するうちに食材が乾燥したり油脂が酸化し、食感や風味が落ちる。塩フリージングでは、そのような劣化を遅らせられるが、保存の目安は1か月。生で食べる場合は2週間で食べ切ろう。