今年の日本シリーズでは、巨人とソフトバンクが19年ぶりに対戦する(2000年はソフトバンクの前身であるダイエー)。前回の2000年はジャイアンツ・長嶋茂雄監督とホークス・王貞治監督という“ON対決”に注目が集まった。
今回は、当時巨人のヘッドコーチだった原辰徳監督、巨人のエースだった工藤公康監督が両チームの指揮を揮う。野球担当記者が話す。
「原辰徳は現役時代、日本シリーズに6回出場し、そのうち4回、西武と対戦しています。4番として出場した1983年、1987年、1990年は西武に敗れました。その時に立ちはだかったのが、工藤公康でした」(以下同)
工藤は高卒2年目の1983年こそ第2戦にリリーフ登板しただけだったが、シーズン15勝を挙げて最優秀防御率を獲得して臨んだ1987年は2戦目に完封勝利、5戦目は9回途中からマウンドに上がってセーブ、6戦目は1失点完投勝利と、2勝1セーブで文句なしのMVPに輝いている。1990年は2戦目に先発し、4回途中でノックアウトされたが、西武は4連勝で巨人を撃破した。
日本シリーズでの原の工藤との対戦成績は16打数3安打。打率1割8分8厘、1本塁打、2打点という成績が残っている。原が抑え込まれたイメージが強いが、1994年の第2戦では初回に両チーム通じて唯一の得点となるタイムリーを放っている。このシリーズでの工藤は2戦、6戦に先発して好投したものの、チームは0対1、1対3で敗れ、日本一を逃した。