10月19日、巨人とソフトバンクが戦う日本シリーズが始まる。過去3年の交流戦での対戦成績は巨人の5勝4敗だが、ソフトバンクは最近5年で4度の日本一を達成しており、短期決戦での強さも光る。今年、通算1000勝を挙げた巨人・原辰徳監督が前年の王者をどう切り崩していくか。原監督は15日の練習で報道陣に、「1勝1敗という数字が決まっているのならば、2戦目を取りたい」と独特の言い回しで『第2戦重視』を説いた。野球担当記者が話す。
「V9時代の巨人・川上哲治監督が『第2戦重視』を言い始め、V9の正捕手だった森祇晶が西武の監督で黄金時代を築いた時も同じ説を唱えたことで、球界の定説となりました。2戦目に勝つと、移動日も気分良く過ごせて3戦目に臨めるため、同じ1勝1敗なら、1戦目に勝つより2戦目のほうが良いという理論です」(以下同)
1961年に就任した巨人・川上監督は14年間で11度のリーグ優勝を果たし、そのいずれも日本一に輝いている。そのうち、2戦目を落としたのは3度だけ。1986年に就任した西武・森監督は9年間で8度のリーグ優勝、6度の日本一に導いているが、日本シリーズで敗れた1993年、1994年はともに2戦目に負けている。
やはり、2戦目を取ったほうが有利なのか。
平成の日本シリーズで2戦目に勝ったチームの日本一回数を挙げてみよう。1989年から1999年までの11年では7回。1990年代までは、たしかに定説が当てはまっていたようにも思える。
しかし、2000年から2009年までの10年では5回、2010年から2018年までの9年でも5回。必ずしも『第2戦を取ると有利』の法則が働いているわけではなさそうだ。