「なぜ自分はこんな人生を歩んでいるのか」、「果たして自分が生まれてきた意味はあるのか」、こんな答えの出しにくい疑問に悩む人たちが、こぞって耳を傾ける医師がいる。彼が唱える「メソッド」とは──。
10月14日、静岡県浜松市のホテルで行われた講演会。台風19号の爪痕が残る中、集まった大勢の聴衆は60代女性が中心で、若いママや妊婦の姿も確認できる。
彼女たちの視線の先にいるのは池川クリニック院長で産婦人科医の池川明さん(65才)だ。
「子供は生まれる前に母親のお腹にいる時の記憶を持っています。今の科学的な社会は、赤ちゃんには意識も感覚も考える力もないとみなしますが、実は赤ちゃんには意思があり、“こうしたい”という望みがある。そのことに気づくと、それまでとまったく違う出産や育児ができるんです」
場内には目に涙を浮かべながら聞き入る姿や、一言も聞き漏らすまいと熱心にメモを取る姿があふれる。講演が終了すると会場は温かい拍手で満たされた。
今、池川さんの提唱する「胎内記憶」が注目を集めている。
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《スピリチュアルな事業に助成金を出すことに反対》、《本当に公金で呼ぶことに値するのか》。9月下旬、こんな意見がSNSに流布された。
批判の対象になったのは、池川さんらが岡山県岡山市で開催した「『胎内記憶×人間関係の人生』~親を幸せにするために生まれてきた子供たちからのメッセージ~」という講演会だった。
「この講演会は岡山市の教育推進プロジェクトの支援対象となり、主催団体に4万2000円の助成金が交付されました。地元選出の自民党の逢沢一郎衆院議員がツイッターで『ぜひお出かけください。私も参加します』と呼びかけたこともあり、《“胎内記憶”という科学的な根拠のない講演に公金を支給するのはおかしい》との声がSNSを賑わせました」(地元紙記者)
◆胎児になる前の記憶を持つ子もいる
「胎内記憶」講演への賛否はあるが、池川さんが注目を集めた理由は助成金問題だけではない。安倍晋三首相(65才)夫人の昭恵さん(57才)が傾倒していることでも知られる。
「昭恵さんは2014年に公開されたドキュメンタリー映画『かみさまとのやくそく』の試写会に出席したことをきっかけに交流を持ち始めたそうです。“胎内記憶は子供の持つ素晴らしい能力の1つなんですね”と絶賛。イベントやトークショーで同席することが増えていき、池川さんの名も知れ渡っていきました」(全国紙社会部記者)
昭恵さんだけではない。最近は著名人の親も講演会に訪れるという。