気になるニュースのキーワードや人物名でネット検索すると、知りたい情報よりも先に「◯◯の経歴は?生い立ちが壮絶!(顔写真あり)」などの煽り気味のタイトルの記事ばかりが検索結果の1ページ目に出てきて、うんざりさせられるのが常だ。「トレンドブログ」と呼ばれるこれらの情報ページは、なぜ次々と生み出されているのか。ネット・IT関連のトラブルに詳しいジャーナリストの高橋暁子さんが、トレンドブログの実態と危険性について解説する。
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そもそもトレンドブログとは、アフィリエイト収入を目的に話題となっているトレンドネタ、時事ネタを扱うブログのこと。芸能ゴシップネタ、犯罪事件ネタ、テレビネタなどを主に扱っている。
本文を読んでみると、「調べてみましたが、わかりませんでした/顔写真は見つかりませんでした」「○について調べてみました。いかがでしたか?」などの文章で終わることが多い。
関係先に直接、問い合わせるなどの取材などをせず、ソースがFacebookやTwitterなどのSNS、検索サービスで調べて見つけた情報中心な点が特徴だ。記事パターンはほぼ決まっており、同じようなものが多数見つかる状態だ。
◆バイト感覚で執筆されるトレンドブログ
トレンドブログは、バイト感覚で執筆される傾向にあるようだ。たとえばある主婦は、トレンドブログで月に数万円程度稼ぐ。「子どもが小さくて働けないので、消費税も上がったし、月数万円でも稼げたら生活が助かる」という。
話題となりそうなテーマは、TwitterのトレンドやYahoo!のリアルタイム検索アプリのランキングなどを見て決める。「話題になりそうだと思ったらすぐに記事化するのがコツ。しばらくはまったくPVが上がらなかったが、続けるうちに徐々に上がってきた」。
彼女は、該当するキーワードをツイートしているユーザーの投稿を参考にしている。「『顔が見たい』だって」「『生い立ちが気になる』って書いてある」など、何が求められているのか分かるので、投稿が参考になることは多いという。