「もうアカン、アカン、イヤだ!」──羽交い締めにされながら叫ぶ男性の口元に、無理やり「激辛カレー」が押し込まれる。周囲からは、「アハハハハ!」という甲高い笑い声が聞こえた。
神戸市の市立東須磨小学校で、4人の教諭が20代の男性教諭に暴行を加えた事件。テレビから流れる壮絶な動画に思わず目を背けた人も多かったはずだ。
激辛カレーの他にも「首を絞める」「鞄に氷を入れる」「新車にトマトジュースをかける」などのいじめは合計70項目に上った。
加害者は30代の男性教諭3人と40代の女性教諭とされ、リーダー格の女性教諭は“女帝”と呼ばれた。休職に追い込まれた教員は兵庫県警に被害届を提出している。石川教育研究所代表の石川幸夫氏が指摘する。
「職員室内での立場の強弱が固定化された状況があったのでしょう。いわば“職員室カースト”です。神戸の女性教諭は、前の校長が引き抜いたので発言力が強く、他の教諭は逆らえなかったとされる。近年、教育現場では労働環境の悪化とともに精神的に未熟な教師が増えており、今回の事件は氷山の一角だと考えられます」
関東地方の小学校で教壇に立つ30代男性教諭のAさんが打ち明ける。