ラグビー日本代表は惜しくもW杯決勝トーナメント初戦で南アフリカに敗れたものの、1次リーグでの快進撃に目を細めていたのは、日本ラグビー界の黎明期を牽引してきた松尾雄治氏(65)。長年、日本のラグビー界を見続けてきた松尾氏が、伝説のラガーマン・大八木淳史氏の爆笑エピソードを明かす。
* * *
今は日本代表になればそれなりの報酬をもらえるんだよね。うらやましいよ、当時の日本代表は1円ももらえなかったですから。完全なアマチュアだから、会社の従業員と給料も同じで、特別ボーナスもなし。
正直、戦略とかも大したもんじゃなかった。今は戦略的なラグビーをやっている。福岡堅樹なんて引退したら医者になるといっているけど、そんな頭脳の持ち主が代表にいるなんて信じられないね。僕らの時代は知性派のラガーマンなんてまるでいなかったから(笑い)。
当時、大八木淳史(※1)が日本代表で一緒だったんだけど、試合前に「おい、もっと頭を使ってラグビーをやれよ」とアドバイスしたんです。そしたらアイツ、試合中に相手にヘッドバットをかましてペナルティを食らっちゃった。バカヤロー、そっちの頭じゃないよって(笑い)。
【※1/伏見工、同志社大、神戸製鋼で活躍。故・平尾誠二とともに同志社大の全国ラグビー大会制覇、神戸製鋼の日本選手権7連覇に中心メンバーとして貢献した】