スポーツ

日本シリーズ3連敗の巨人、ここから大逆転に必要なものは

ソフトバンクに3連敗を喫し、厳しい表情の原辰徳監督(右)ら(写真:時事通信フォト)

 巨人が追い込まれた。2019年のプロ野球日本シリーズはソフトバンクが3連勝で一気に日本一に王手をかけた。1950年の2リーグ分裂以降、巨人が4連敗でストレート負けを喫したのは1959年の対南海、1990年の対西武の2度だけ。今年、3度目の屈辱を味わうことになるのか。それとも、3連敗から奇跡の4連勝を飾る可能性はあるのか。野球担当記者が話す。

「ストレート負けの2度以外に、巨人が日本シリーズで初戦から3連敗したのは1957年の対西鉄、1976年の対阪急、1989年の対近鉄、1996年の対オリックスと過去に4度あります。唯一、3連敗から4連勝を果たしたのは30年前の平成元年である1989年だけです」(以下同)

 第3戦に先発して勝利投手になった近鉄・加藤哲郎がヒーローインタビューで〈たいしたことなかったですね。シーズンの方がよっぽどしんどかったですからね、相手も強いし〉と発言。これに巨人ナインが発奮し、そこから4連勝して逆転日本一に。30年経った今も、語り継がれる出来事だ。

「ただ、いくら発奮したところで実力差が大きければ、4連勝はできない。加藤哲郎の発言を機にで巨人が息を吹き返したというのは、わかりやすく誰もが面白がるストーリーになるから、そう伝わっているだけ。3戦目までも、紙一重でした」

 この時の日本シリーズ初戦は巨人が5回まで3対1とリードするも、近鉄が6回に鈴木貴久が同点2ランを放ち、7回に新井宏昌が勝ち越しタイムリーとシーズン20勝の斎藤雅樹を攻略。投げてはエース・阿波野秀幸が完投し、4対3で近鉄が勝利した。第2戦は巨人が6回に先制するも、近鉄がその裏にすぐさま同点に追いつく。そして、7回にシーズン17勝の桑田真澄に集中打を浴びせ、6対3で2日連続の逆転勝ち。第3戦は1回にブライアントのタイムリー、2回に光山英和の2ランが飛び出し、3対0で近鉄が王手をかけた。ただし、この日の近鉄は4回以降ノーヒットに抑えられていた。

「今年の第3戦まではソフトバンクが圧倒しているように見えますが、たとえば第2戦6回0封のメルセデスが続投できていたら巨人にも十分勝機はあったでしょうし、7回の山本泰寛のエラー、9回の走塁ミスがなければどちらに転んだかわからない。第3戦も4回裏の2死満塁のチャンスで代打・重信慎之介が繋いで、2打席連続本塁打の1番・亀井善行に回せば逆転していたかもしれない。ソフトバンク抑えの森唯斗から1戦、2戦とも得点を奪っているし、1戦、3戦は巨人が先制している。1990年に西武に4タテを喰らった時は、そんな“たら・れば”を言える要素さえ、ほとんどありませんでしたから」

関連記事

トピックス

2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
警視庁が押収した車両=9日、東京都江東区(時事通信フォト)
《”アルヴェル”が人気》盗難車のナンバープレート付け替えで整備会社の社長逮捕 違法な「ニコイチ」高級改造車を買い求める人たちの事情
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン