2018年の西日本豪雨では、岡山県獣医師会がペットの無料預かりを行なう動物病院やペットショップを公表。広島市は「災害緊急ペット相談窓口」を開設した。
「避難所と獣医師会が連携を取り、同行避難所の巡回や動物病院での預かりサービスなどを実施した事例があります。避難所に受け入れ態勢がない場合、地域の獣医師会に相談してみましょう」(友森氏)
やむを得ずペットを自宅に残す場合も、リードを外して放したり、自宅の1階に残すと、水害に巻き込まれる危険性がある。
「2階以上のなるべく高い場所に避難させてあげるべきです。その際、ケージに入れたほうが安全です。パニックになって窓を破って逃げたり、屋根が落ちたり家具が倒れることを想定し、普段からケージに慣れさせておくとよいでしょう。自宅に戻る際は、必ず周辺の安全状況を確認してから、ペットの安否を見に行くようにしてください」
飼い主にとっては「家族の一員」でも、他人にとってはストレスの種となりかねないペット問題。今回の論争を踏まえ、行政による対策が急務となる。
※週刊ポスト2019年11月1日号