「定年後の働き先」の第1選択肢となるのが継続雇用だ。内閣府の「高齢社会白書」によると、退職者の約8割が選択している。ただし、給与は大幅減額となることがほとんど。仕事内容も責任を感じられなくなり、肩身の狭い思いをすることも少なくない。
そういった事情もあり、定年後世代の働き方のサポートをするライフシフト・ジャパンの大野誠一代表は、「アルバイト生活に転じる」という選択肢に注目してほしいとする。
「やりがいのない仕事を長く続けるというのは体力的にも精神的にも厳しい。それなら自分のやりたかった仕事や社会に貢献できる仕事をアルバイトで実現するのも手です。収入が減ることを気にする方もいますが、“老後資金2000万円不足問題”は、30年間の総額なので、年金プラス月5万円あればいい。この額ならアルバイトで十分賄えます」
趣味を仕事にする選択もある。自宅の庭いじりや剪定で培った知識を活かせるのが庭師のアルバイトだ。資格も不要であり、60代、70代からの応募は多いという。
「最初は剪定の補助からで、枝やゴミを拾う作業が中心です。経験を積めば、簡単な剪定作業も任されます。機械で植物をボール状に丸く刈り上げるトリミングという作業が代表的です。
業務は親方を責任者として2~3人でチームを組み、契約者の家を1日2~3軒回ります。朝8時から日没までで日給1万円前後というのが一般的です」(日本造園組合連合会東京都支部)