日韓関係が好転するきざしも見えない状況だが、こんなときだからこそ、韓国の映画や小説に親しもうと諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師はいう。鎌田医師が、おすすめの韓国映画と小説を紹介する。
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来月ロードショーされる韓国映画「国家が破産する日」を見た。1997年に起きた韓国の未曾有の経済危機を描く問題作だ。
主人公の通貨対策チーム長の女性は、経済危機をオープンにして、庶民の悲劇をできるだけ減らそうとする。しかし、国の権力者たちは、国際通貨基金(IMF)の支援を受け、その結果、中小の企業が連鎖倒産しても、大企業さえ生き残ればいいと考えている。
結果として、韓国はIMFの支援を受けることになるのだが、必死に国と国民を守ろうとする女性が大きな権力と闘っていく姿がなかなかおもしろい。
韓国は現在、10大財閥がGDPの7割超を占めるという人たちがいるくらい財閥が幅を利かせている。財閥の企業には3つの名門校を卒業しなければ就職できないとか。苛烈な受験地獄を生み出す一因にもなっているようだ。
そういえば、文在寅大統領側近のチョ・グク法相は、娘の大学入試をめぐる不正などが問題になっている。
映画のラスト、20年後の現代の韓国もあまり変わっていないという意味深なメッセージを発しているが、とてもリアリティがある。
『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳、筑摩書房)は、韓国で100万部を売り上げた。