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日本シリーズ、低視聴率にはっきり表れるCS制度の弊害

日本シリーズはソフトバンクの4連勝で幕を閉じた(撮影:山崎力夫)

 プロ野球日本シリーズはパ・リーグ2位からクライマックスシリーズ(以下、CS)を勝ち上がったソフトバンクがセ・リーグ優勝の巨人を4連勝と圧倒し、3年連続で日本一になった。ソフトバンクの強さと巨人の脆さが目立ったシリーズは視聴率が奮わず、初戦8.4%、2戦目7.3%、3戦目9.7%と低迷し、日本一の決まった第4戦でさえ11.8%しか取れなかった(いずれも、ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)。テレビ局関係者が話す。

「1、2戦の同時間帯の裏番組でラグビーW杯が放送されていた影響はあるでしょう。出鼻を挫かれたため、最後まで伸びなかった印象。ただ、それだけでもないと思います。やはり、CS制度が出来てから、リーグ2位のチームが出場できる違和感に、視聴者が敏感になっている面もあるのではないでしょうか」(以下同)

 パ・リーグは2004年から、セ・リーグは2007年から現在のようなポストシーズン制度が始まった。現行では143試合のシーズンで3位以内に入り、最大9試合のCSを勝ち上がれば、日本シリーズに進出できる。その7試合で4勝すれば日本一になれるのだ。

 2007年以降、シーズンで優勝できなかったチームが日本シリーズに進出したのは2007年、2010年、2014年、2017年、2018年、2019年の6回。実は、これらのシリーズはいずれも視聴率1ケタの試合を記録してしまっている。

「シーズン2位の中日とシーズン1位の日本ハムが対戦した2007年、日本シリーズのナイター中継が始まった1994年以降で初めて視聴率1ケタを記録してしまった。山井・岩瀬の完全試合リレーで中日が53年ぶりの日本一を達成した最終戦も12.7%と伸びませんでした。当時はまだ“巨人信仰”が残っている時代でしたし、北海道の日本ハムと名古屋の中日だから関東地区で視聴率が伸びなくても仕方ないと思われていた。でも改めて今考えてみると、シーズン2位の中日が日本一になる違和感がどこかにあったのかもしれません。

 1位同士が対戦した翌2008年の巨人対西武は最終戦で28.2%を記録。直近の1位同士対決である2016年の広島対日本ハムも最終戦で25.1%を取っています」

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