近年、ビジネスホテルといえども「大浴場」がある施設が多く、リピーター獲得の重要なポイントとなっているが、天然温泉つきの新ブランドを展開して勢いに乗っているビジネスホテルが「ドーミーイン」だ。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が、ドーミーインの強さの秘密をレポートする。
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数多あるビジネスホテルブランドは、年間を通して高い需要に支えられているホテル業態であり、供給客室数のボリュームは圧巻。宿泊施設の増加も目覚ましい。
フルサービスを提供するシティホテルに対して、宿泊に特化したリミテッドサービスを主体とするビジネスホテルは、収益性の高さでも知られ、画一的な客室・建物を量産してチェーン化していく様は効率的経営のお手本を見るようだ。
そんなビジネスホテルの活況ぶりは売上高ランキングにも見てとれる。
『レジャー産業資料10月号』(綜合ユニコム株式会社)によれば、1位のプリンスホテル(2021億円)を除くと、2位/共立メンテナンス(1415億円)、3位/アパホテル(1008億円)、4位/ルートインホテルズ(994億円)、5位/東横イン(907億円)、6位/ダイワロイヤル(880億円)と、ビジネスホテルで知られる企業がずらりと並ぶ(※売上高のデータは最新決算期の数字/1億円以下切り捨て)。
対前期比での伸び率をみると、各社概ね102%~106%程度という中、3位のアパホテルが108.0%(933億円→1008億円)と頭ひとつ抜け出しているが、共立メンテナンスはさらに113.6%(1245億円→1415億円)と突出しており、圧巻の伸び率第1位だ。
共立メンテナンスは、人気ランキングで常に上位の宿泊特化型ホテル(ビジネスホテル)「ドーミーイン」を手がけることで知られる。日本生産性本部(東京・千代田)の2019年度日本版顧客満足度指数(JCSI)調査では、ドーミーインが首位(ビジネスホテル部門)となった。
同社はドーミーインのほかにも、共立リゾートとして全国に28棟の温泉を愉しめる湯宿・リゾートホテルも手がけるなど、温泉大浴場を充実させた宿泊施設が特色といえる。