超高校級エースが主役となった今年のドラフトだが、2年前は「2人のスラッガー高校生」が人気を集めた。
高校通算111本塁打の清宮幸太郎(早稲田実業)と、夏の甲子園で6本のホームランを放ち、大会本塁打記録を塗り替えた中村奨成(広陵)だ。
7球団競合で日本ハムに入団した清宮はルーキーイヤーに早実の先輩・王貞治の1年目と並ぶ7本塁打をマーク。2年目には4番を任されるなどプロでも着実にスラッガーの道を歩んでいるが、一方、広島に入団した中村は一軍での出場はゼロ。現時点では、清宮に水をあけられている。
しかも今季は春季キャンプで故障、実戦復帰の初戦で頭部死球を受けて退場するなど不運続きだ。
広島OBの安仁屋宗八氏は、「DHでも出られる清宮と違い、捕手の中村はどうしても一軍出場のハードルが高い。木製バットへの対応力は悪くないので、まずは二軍で結果を残し、来季の昇格が期待されます」とエールを送る。
「二刀流」の活躍で、今やメジャーの最注目選手となった現エンゼルスの大谷翔平(花巻東)が日本ハムに指名されたのは2012年のドラフト。
メジャー行きを公言する中での単独強行指名が話題を集めたが、このドラフトで高卒一番人気だったのは4球団競合の藤浪晋太郎(大阪桐蔭)だった。
阪神に入団した藤浪もルーキーイヤーから活躍し、プロ50勝に到達しているが、近年の絶不調は周知の通り。
右打者への“死球癖”は特に深刻で、対戦チームから「藤浪が投げるなら右打者は出場させられない」と言われているほど。トレード話もたびたび取り沙汰され、大谷を再び逆転するには時間がかかりそうだ。