警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ヤクザのみかじめ料について解き明かす。
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「うちの場合はそのまま払ってますけどね」
ある飲食店のオーナーがこう語るのは“みかじめ料”のことだ。
東京都ではみかじめ料を支払った店側にも罰則を科すという改正暴力団排除条例が今年6月に成立し、10月1日からこれが施行されている。にもかかわらず、みかじめ料は未だにそのまま払われているようだ。
「多少は地元の顔も立てないといけませんから」
そう言ってニヤッと笑ったオーナーは、実は暴力団幹部だ。暴力団関係者であっても地元のヤクザにみかじめ料を払っているのだ。
暴力団といえばみかじめ料を取る一方で、彼らが払うことなどないと思っていた。だが暴力団幹部といえど、歓楽街に店を出せばカタギと同じく、みかじめ料を払っていると聞いて驚いた。
確かに属する組のシマ内にだけ店を出しているわけではないし、たとえシマ内だとしても、地元に根付いたヤクザ組織があったり、組織同士が1つの地域で入り組んでいる場合もある。歓楽街がたった1つの組織だけに牛耳られているというわけではないのが現実だろう。
実際、改正条例の影響で、みかじめ料を取るのがかなり厳しくなったのは事実だという。
「でも、それなりに取っているところも多いね。直接渡しているのもあるし」
手渡しというオーソドックスなやり方も未だに続いているが、広告や雑誌の定期購読料、観葉植物やおしぼりのリース料など、暴力団は問題視されないよう様々な方法を使ってみかじめ料を取ってきた。「ゴミタメから金を拾う方法をいかに探すかと同じだ」と引退したある大幹部は、みかじめ料についてそう表現していた。
直接渡しているのかと聞くと、幹部は首を横に振ってはすに構えた。
「あの街は他の街とは違っていてね。地元のヤクザに絶対に金が入るシステムができている」
幹部のいう“あの街”とは東京都内にある歓楽街の1つだが、ここで街の名前は明かせない。改正条例では新宿、上野、六本木、渋谷など29の歓楽街を特別強化地域に指定し、みかじめ料を払う店側への罰則を強めている。
絶対に金が入るシステムとはどんなものなのか?