結婚の「分岐点」をレポートするシリーズ。今回は、浮気を繰り返す夫との離婚に踏み切れないアラフォー女性の本音を探る。
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◆外見的にはお似合いではなかった二人が、なぜ結婚したか
慶子(けいこ)さん44歳、旅行系雑誌の編集者として働くバリキャリだ。22歳で就職、26歳で結婚・出産、以来、好きな仕事と家庭を両立してきたという自負がある。会社では多数の部下を抱える管理職となり、一方、一人息子は、今年から都内の難関大学に通う。完ぺきに見えるワーキングマザーは、しかし、ある悩みを抱えていた。
「また夫が浮気しているんです。もう、何回目だろう。彼にとっては浮気ではなく、本気なのかもしれないけれど……」
慶子さんは26歳のとき、仕事で知り合った同級生の夫・剛(ごう)さんと結婚した。デキ婚だった。付き合いはじめて半年ほどで妊娠が発覚。26歳という年齢での結婚・出産は、それまで思い描いていた人生設計とは違い不安もあったが、それ以上に、嬉しい気持ちが勝ったと振り返る。
「仕事が楽しくなり始めた頃に出産するのに不安はありました。私の周りでは、26歳で結婚というと、早いほうだったし。でも元々、結婚して子供を産んでも、仕事は一生続けるつもりだったから、だったら体力のある若いうちに産んで、それからバリバリ働けば大丈夫と、気持ちを切り替えたんです。何より、これで彼と結婚できるというのが嬉しかった。子供が出来ていなかったら、結婚まで行っていたかは、わからないです」
剛さんにとっても、26歳で結婚というのは、想定外だったそうだ。趣味が多く、派手好きな剛さんにはもっと遊びたい気持ちがあったに違いないと慶子さん言う。だが妊娠がわかると、結婚しようとすぐに言ってくれた。そういう男気に、ますます惹かれた。
「私も彼も、男女複数で飲んだり遊んだりする仲の良いグループのなかにいたんですが、彼にとって、私は、それほどタイプではなかったと思います。でも、私は、彼のことを、最初からいいなと思っていた。だから、彼が一番気に入ってた子にフラれて、愚痴を聞いているうちに、なんとなくそういう関係になって……。結婚すると公表したときは、周囲に衝撃が走りました。それくらい、お似合いではなかったのかもしれない(笑)」