10月24日に膵臓がんのために帰らぬ人となった女優の八千草薫さん(享年88)。その裏話をマネジャーが明かす──。
八千草さんの葬儀に参列した友人はこう話す。
「野に咲いている花が好きだったので、祭壇もそのイメージでした。生前に、お墓も新しく作り、ご主人とお母さんとそこに入ると決めていました。戒名も予め用意していたのだと思います。お通夜の時に住職に教えていただいた時は、かっこいい戒名だなと思いましたね。驚いたのは、火葬した時にお骨が太くて大量にあったこと。本当に骨が強くて内臓も丈夫な人でした」
40年間にわたって八千草さんのマネジャーを務め、所属事務所の社長でもある原田純一さんは、亡くなる前日に病院を訪れていたという。
「入院中はほぼ毎日、病院に顔を見に行っていました。23日にはお手伝いさんが持ってきたまつたけご飯を“おいしい、おいしい”って言って食べて、“あなたも食べなさいよ。おいしいから”ってぼくにも強引にすすめてくれました。
亡くなった日、八千草さんは一度起床したのですが、その後容体が急変しました。朝6時半くらいに見知らぬ番号から電話がかかってきて、それが病院からだった。前日には元気そうに“明日はひらめのおつくりを一緒に食べましょうね”って言っていたから、ショックでしたね。最期は本当に眠っているようでした。最後まで仕事に戻る気持ちだったと思いますよ」(原田さん)
好きなものを食べ、仕事も趣味もマイペースを貫いた。まさにPPK(ピンピンコロリ)の理想通りの生き方だった。
夫を亡くし、きょうだいも子供もいない八千草さんだが、遺品整理には着手していた。
「80才になり、遺品を誰に残すか整理をされていました。宝石類を細かくこれはこの人に、あれはあの人にと…その作業の途中に“私の思い出がなくなっちゃうみたい”とつらそうにしていました。遺言書も作成しています」(前出・友人)
八千草さんの死は中国でも伝えられた。目立ったのは、中国でも大ヒットした山口百恵さん(60才)主演のドラマ『赤い疑惑』(1975年、TBS系)の名前を挙げ、「山口百恵の母親を演じ、中国の視聴者にもよく知られた」という報道だ。