今年9月、日本ワインの最高峰を決める「日本ワインコンクール2019」の表彰式と公開テイスティングが山梨県で開催された。今回で17回目を迎えるこのコンクールでは、日本ワインだけが対象となっている。この“日本ワイン”は、“国産ワイン”とは違う。
国産ワイン(国内製造ワイン)は、「日本国内で製造された果実酒・甘味果実酒」という定義で、これには、外国産の濃縮果汁などを原材料に使ったワインも含まれる。
一方、日本ワインは「国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造されたもの」に限られる。
こうしたルールを、「果実酒等の製法品質表示基準」といい、2015年に制定され、昨年から本格スタートした。その背景には、近年、日本国内で製造されたワインの質が向上し、海外でも認められるようになったことがある。つまり「日本ワイン」とは、原料も製造も100%日本産を誇れる“ブランド”なのだ。
◆日本ワインと国産ワインの見分け方
日本ワインと国産ワインを間違えないように選ぶにはまず、ラベルを見よう。表ラベルか裏ラベルに「日本ワイン」と表示され、かつ表ラベルに地名やぶどうの品種が書かれていれば、間違いなく日本ワインだ。国産ワインは原材料名に「外国産」の表記がある。
また、価格でも違いがわかる。輸入ぶどうを使った国産ワインは原材料費が安いため数百円から買えるが、日本ワインは生産コストがかかるため、1000円台からと、少々値が張る。
日本ワインはデパートやスーパーのほか、醸造元のホームページから買える。ホームページになくても、ワイナリーに直接行けば買えることもあるので、問い合わせてみよう。
●表ラベルの見方
画像内【1】ワインの産地名。この場合、長野県産のぶどうを85%以上使用して、長野県内で醸造されたことを表す。
【2】ぶどうの品種名。この場合、「シャルドネ」という品種のぶどうだけを85%以上使用していることを表す。「マスカット・べリーA」「甲州」「メルロー」などもすべて品種名。各品種の特徴を知っていると、味が想像できる。
【3】ぶどうの収穫年。同一収穫年(ここでは2017年)のぶどうを85%以上使用していることを表す。