天皇の即位を内外に宣言する「即位礼正殿の儀」の翌10月23日、列席した海外王族をもてなすため、赤坂御所(東京・元赤坂)にて茶会が行われた。
「これまでの皇室の慣習では、皇族方が一堂に会される行事において、女性皇族のお召し物は和装か洋装かどちらかに統一されることがほとんどでした。同じ会でお着物の方とドレスの方が混在されるのは珍しいことです」(皇室ジャーナリスト)
どちらか決めるのは皇后の役目だという。行事の内容や接遇されるお相手などを考慮されるそうだ。次いで皇后が服の色を選ぶと、ほかの女性皇族が皇后と被らないように色を選ばれる。それが女性皇族のドレスコードの慣例とされる。たしかに、園遊会や一般参賀などでは女性皇族のお召し物は統一されてきた。
「それだけに、今回の茶会における皇后陛下と上皇后陛下の衣装には驚きました。雅子さまやほかの皇族方は洋装でしたが、美智子さまだけは和服で参加されたんです。公的な行事ではないとはいえ、珍しい光景でした」(前出・皇室ジャーナリスト)
「平成」と「令和」の2人の皇后陛下が相対した、知られざる緊張の瞬間──。
◆皇室の中心は今も上皇上皇后両陛下
退位された上皇上皇后両陛下のお姿を見る機会が増えてきた。両陛下は11月1日、東京スタジアム(東京・調布市)で行われたラグビーW杯の3位決定戦を観戦された。会場のスクリーンにおふたりの姿が映し出されると、大きな拍手が沸き起こった。
「歓声に手を振って応えられるお姿は、天皇皇后両陛下としての“現役時代”を彷彿とさせました。ただ、『御代がわり以降は公的な活動をされないのではなかったのか』と、疑問を抱いた人も少なくなかったようです」(前出・皇室ジャーナリスト)
上皇陛下や美智子さまを長年支えてきた上皇職など宮内庁職員が、“上皇上皇后両陛下ファースト”で動くあまり、令和皇室の主役であるはずの天皇陛下や雅子さまの存在感が薄まってはいないか──。周囲では、そうした懸念もあるという。
即位パレード「祝賀御列の儀」が11月10日に延期になった背景にも、美智子さまの意向を優先しようとする職員たちの存在が大きかったのではないかという指摘がある。
「延期決定直前、10月20日の美智子さまの85才のお誕生日に関する祝賀行事がすべて中止されることが発表されました。中止に際し、上皇上皇后両陛下の台風被害への沈痛な思いが詳細に明かされ、“美智子さまは盛大なパレードを望まれていない”と理解する関係者も多くいた。それが、天皇皇后両陛下の晴れの舞台であるパレード延期決定を後押ししたと見る向きがあります」(宮内庁関係者)