監督復帰1年目にして5年ぶりのリーグ優勝、日本シリーズ進出を果たした巨人・原辰徳監督も日本シリーズでは無残な4連敗。「かつての巨人軍にあった底力が感じられない」と嘆くG党は少なくない。そうした思いを最も抑えられずにいるのが、錚々たる巨人軍OBたちだ。
「首脳陣の判断力と分析力が足りなかった。日本シリーズ惨敗の原因はこれに尽きる」
そう語るのは、V9時代の正捕手・森祇晶氏(82)だ。現役引退後は西武の監督としてリーグ優勝8回、日本一6回の偉業を成し遂げた名将である。
「短期決戦では、選手の好不調を見極めて起用法を判断しなければならない。実績があっても調子が悪いピッチャーは使ってはいけない。その判断を誤ると取り返しがつかないことになる。
今季の巨人は正捕手が固定できなかったと言われますが、キャッチャーだけの責任ではない。首脳陣が相手をよく分析し、不調で眠っている選手を絶対に起こさないこと。小林(誠司、30)と大城(卓三、26)のどちらがマスクをかぶろうと、ソフトバンクを分析しきれていなかったことが問題です」
プロ野球史上唯一となる2度の代打逆転サヨナラ満塁本塁打を放つなどV9時代に“代打男”と呼ばれ、引退後は中日、ロッテ、西武のコーチを歴任した広野功氏(76)も、首脳陣に疑問を呈した。