安倍政権の閣僚が2人相次いで辞任に追い込まれた。菅原一秀・前経産相と河井克行・前法務相だ。こうしたスキャンダルのほかにも、小泉進次郎・環境相は妻・滝川クリステル氏の資産公開が炎上し、河野太郎・防衛相は「雨男」発言で謝罪に追い込まれるなど、菅義偉・官房長官に近い政治家が狙い撃ちされてきた。
いまや自民党内は議員らが会合を持つたびに「次は誰か」が話題の中心になる。
そんななか、11月初旬のある会合で、自民党の派閥領袖クラスの有力議員が親しい議員にこう囁いた。
「いよいよ菅さんの逆襲が始まるらしい。今度は安倍首相側近のものすごいスキャンダルが表に出る」
旗色が悪く見えるとはいえ、菅氏は官房長官として足かけ7年間、政権の危機管理を担当して内閣情報調査室をはじめ各省庁の情報を一手に握ってきた。当然、閣僚候補の議員たちに対する“身体検査”の報告も受けている。
安倍首相も菅サイドの出方に疑心暗鬼になっている。衆院予算員会(11月6日)で「これ以上の大臣辞任はないか?」と質問されると、「1人であればいい、2人であればいい、3人ではだめということではなくて……」と曖昧な答弁に終始し、“次はこっちに矢が飛んでくるかもしれない”との不安を隠せない様子だった。
安倍vs菅、両陣営のスキャンダルの刺し合いがさらにエスカレートすればどうなるか。政治評論家の有馬晴海氏が指摘する。