5年ぶりのリーグ優勝を果たすも日本シリーズでは無残な4連敗に終わった原巨人。どう再建すべきなのか。日本シリーズ4試合で計10得点と、貧打に苦しんだ打線を課題に挙げたOBもいる。
ヤクルト、巨人、阪神で4番を任された広澤克実氏(57)が語る。
「今季は坂本(勇人、30)や丸(佳浩、30)、それに岡本和真(23)といった主力にバントのサインを出すシーンがありましたが、とくに岡本のような主砲には出すべきではないと思います。かつての巨人は、ONはもちろん、落合博満さんや清原にバントのサインは出さなかった。主軸にバントをさせるのがいい作戦、名監督というような傾向があるが、どうかなと思いますね」
代打の切り札として活躍した“コンコルド打法”の淡口憲治氏(67)は、「チーム打撃の意識」が必要だと説く。
「ソフトバンクは外国人も含め、追い込まれると逆方向を意識していたのに対し、巨人は強引さばかりが目立った。空中戦に頼っていてはチャンスが広がらない。繋ぐバッティングの意識が大切です。
来季からは阿部(慎之助)ちゃんが二軍監督になりますが、日本シリーズでもホームランを打った彼の打力に頼っている部分があった。一発頼みの状況から脱却する必要がありますね」
イチローと二人三脚で“振り子打法”を生み出した実績を買われ、巨人の打撃コーチも務めた河村健一郎氏(71)はこう語る。
「原監督の言うようにDH制を導入すれば、FAで獲得した選手や有り余っている外国人も活かすことができ、打線に切れ目がなくなるので、たしかに巨人に有利に働くでしょう。ただ、巨人はリーグ優勝をしたわけで、戦力が不足しているということではない。むしろ、相手のミスに付け込むしたたかさや、ひとつでも先の塁を盗む貪欲さに欠けているのが問題です」
河村氏が指摘するように、日本シリーズでは勝負所の走塁ミス、手痛いエラーが試合展開を悪くした。