「雅子さまは、もともと涙もろい方なんです。教養も知性も国際経験も運動神経も抜群で、才色兼備のキャリアウーマンでいらしたので“強い女性”だと誤解されることも多いのですが、人間味に溢れ、とても繊細な感性をお持ちです。人が喜んでいたり悲しんでいたりすると、すぐに感情移入されるので、そのたびに目を真っ赤にし、涙をためられます。
ところが最近は、そうした“雅子さまらしいお姿”が、多くの国民の前で見られることが少なかったのです」
そう語るのは、雅子さまの知人の1人だ。
実は、かつて多くのメディアに囲まれた場で目を潤ませ、「涙もろくなって」とオープンに説明されたことがあった。それからもう17年──雅子さまが涙を隠されなくなるまで、途方もなく長い時間が必要だった。
天皇皇后両陛下は11月14日夕刻から15日未明にかけ、皇居東御苑に新設された大嘗宮にて、即位関連行事を締めくくる一世に一度の重要祭祀「大嘗祭」に臨まれた。
「秘儀中の秘儀とされ、複雑な所作が必要になる大嘗祭にあたり、両陛下は熱心に習礼(しゅらい/リハーサル)を行われました。神々の前で、国家国民の安寧と五穀豊穣などを祈念する儀式だけに、気を抜くことはできないのでしょう、習礼は予定時刻を1時間も延長して行われたそうです」(皇室ジャーナリスト)
大嘗祭を終えるまでの1週間は重要行事が目白押しで、両陛下は超多忙なスケジュールをこなされた。11月10日には、即位に伴うパレード「祝賀御列の儀」が挙行され、約11万9000人が沿道に詰めかけた。
「前々日の夜に東京に着いて、2晩野宿をして今日を迎えました。とにかく、雅子さまのお姿を拝見したかった」(岐阜県・40代男性)
「いわき市から来ました。東日本大震災の福島第一原発事故で避難して、今回の大型台風でも避難して。ようやく一段落したので今日は心からお祝いできます」(福島県・40代男性)
観衆の胸を打つシーンが見られたのは、両陛下が皇居・宮殿の前からオープンカーに乗られ、正門をくぐって沿道の人々の前にお姿を見せられてから、約10分が過ぎた頃のことだった。
「皇居の南端にある祝田橋の交差点を過ぎたあたりで、雅子さまの目が潤んでいるように見えました。さらにパレードコースの中ほど、官公庁が集中する霞が関付近で、ついにこらえきれなくなったのか、そっと目頭を押さえられていました」(皇室記者)
そこは奇しくも、雅子さまが結婚前に勤められていた外務省の庁舎のすぐ近くだった。