人気女子プロがゴルフ場で従業員に「死ね」と暴言を吐いたとされる前代未聞の騒動。その背景を追うと、テレビ中継には映らない複雑な人間関係が浮かび上がってくる。女子ゴルフの世界は選手同士や派閥・グループ同士での足の引っ張り合いが繰り返されてきた。スキャンダルの噂を流されたり、ルールに関して嫌がらせまがいの指摘をされたり、男性キャディの“略奪”をめぐって胸ぐらを掴まれて「泥棒猫」と罵られる騒動に発展……などなど。
渋野日向子(20)をはじめとする黄金世代の若手選手が台頭するなか、同じような悲劇が繰り返されないか心配になるが、近年になって、女子ゴルフ界の勢力図は塗り替えられてきているという。
「かつては岡本綾子氏(68)を中心とする“岡本軍団”や清元登子氏(享年78)の清元教室など、有名プロを師匠に持つ選手がほとんどだった。古閑美保(37)も清元門下生。ただ、ジュニア世代の大会が盛んになってそうした例は減り、親子が師弟関係になる選手が増えた」(ベテラン記者)
宮里藍(34)、横峯さくら(33)が代表格だ。父親がコーチとしてツアーに同行し、家族単位で行動する。
「さらに今はLPGAがアマチュアの出場枠を拡大し、ジュニア時代から参戦する選手たちの“同世代のつながり”が強くなってきた。小さい頃から親も含めて顔見知りで、プロ入り後も一緒に練習ラウンドをする。黄金世代と騒がれる1998年生まれが最も有名ですが、渋野に加え、日本女子オープンをすでに3度制した畑岡奈紗(20)、原英莉花(20)、小祝さくら(21)、新垣比菜(20)といった蒼々たるメンバー。なかでも渋野は大里桃子(21)と仲が良く、いつも一緒に練習ラウンドをしている」(同前)