◆最大の謎は「富山市」世帯主よりも同居家族の方が3倍近い!
地域によって小遣い額にずいぶんと差があることが分かったが、ここでひとつ大きな謎が生じた。富山市の小遣いの内訳である。
世帯全体の小遣い(月額)1万4133円のうち、世帯主はわずか4012円。3分の1にも満たない。逆に他の同居家族は1万121円もある。他の都市は世帯主の小遣いが7割から8割を占めているのに、富山市だけが正反対の結果となっている。47都道府県の県庁所在地、政令指定都市のデータを再度チェックしたが、世帯主の小遣いが少ないのは富山だけである。いったいなぜなのか?
富山県の統計調査課の方に素朴な疑問をぶつけてみたところ、返ってきた答えは……。
「ご指摘いただいて初めて気が付きました。過去3年分を調べてみたのですが、やはり同様の結果でした。どうしてか、はっきりした理由はわかりません」
小遣いの絶対額が多いのは、世帯収入の多さ(勤労者世帯の月間の実収入は61万8950円で全国平均の55万8718円を6万232円も上回り、全国7位)や、世帯構成員の多さ(全国3位)、有業人員の多さ(共働き世帯の多さ=全国2位)、配偶者の収入の高さ(全国6位)、持ち家率の高さ(全国1位)などが背景にあると思われる。これは県の担当者の方も指摘していた。
しかし、世帯主の小遣いが圧倒的に少ない理由の謎は解けない。ということは、やはり奥さんが家計の実権を握っていて、夫への配分が少なくなっているのだろうか。県の担当者に確認すると、「奥さまが家計を握っていらっしゃるのは一定の世代(高齢世代)だけではないでしょうか。若い世代は違うと思いますね」とのこと。どうもスッキリしない。
そこで富山在住30年以上の知人夫妻(60代)に、夫の小遣い事情を尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。