まさか男女の交際トラブルで「友人」が犠牲になるとは思わなかっただろう。栃木県真岡市のアパート室内で11月11日未明、男女が死亡しているのが発見された。部屋に住んでいた会社員の川上貴由さん(29)が、同居していた元交際相手のA子さん(21)の友人で会社員の大竹七海さん(21)を刺した後に自殺した可能性があるとみて、県警は殺人事件として捜査している。
事件は、川上さんと数日前まで同居していた“元カノ”のA子さんが、大竹さんと男友達と3人で車で荷物を取りに来たことで起きてしまった。
その経緯を辿ると、あまりにも不運な状況が重なったことがわかる。捜査関係者によると、川上さんに会いたくないA子さんの代わりに大竹さんが一人で部屋に向かうと、不在だと思っていた川上さんと鉢合わせしてしまったという。
「A子さんと男友達はアパートの駐車場で待っていたが、川上さんと顔を合わせないように離れたところ、大竹さんから『警察を呼んで』とLINEが入り、『血を流している』と電話もあった。その後、『早くして』という電話を最後に連絡は取れなくなった。A子さんたちはパトロール中のパトカーを呼び止め、『元カレが友人を連れ去った』と伝えた。その時には連絡を受けて駆けつけたもう一人の知人男性も合流していた」(捜査関係者)
が、その「通報」から警察が部屋に踏み込むまでには、40分ほどかかった。川上さんと大竹さんが一度部屋を出ていたため、そのまま外に連れ去られたとの“誤解”があったという。
「A子さんらと警察は周囲を探し回ってから最終的にアパートにたどり着いた。さらに鍵がなく窓を割って入るために、時間がかかってしまった。大竹さんには10数か所の刺し傷などがありました」(同前)