新天皇即位の祝賀ムードに日本中が沸いたが、令和の皇室がいくつかの難題に直面していることもまた事実だ。その中心にいるのが、現行の皇室典範のもとで初めてとなる状況に向き合っている「秋篠宮家」だ──。
新天皇の即位に伴う重要な祭祀「大嘗祭」を終えた後も、皇位継承に関連する行事は続く。
11月下旬からは天皇皇后が伊勢神宮参拝や歴代天皇陵を拝礼する「親謁の儀」が始まり、京都御所での茶会なども行なわれる。
その一連の儀式の“区切り”となるのが、来年4月19日に控えている「立皇嗣(りっこうし)の礼」だ。秋篠宮が皇位継承順位第1位の「皇嗣」となったことを国内外に示す儀式である。
「天皇の直系男子が皇位継承順位第1位となる場合は、『皇太子』となりますが、秋篠宮さまは“天皇の弟”なので『皇嗣』となる。『皇太子』が空位だったのは、昭和天皇が即位されてから、1933年12月に現上皇が誕生されるまでの約7年間以来で、およそ86年ぶりに生じた状況です。戦後に定められた現行の皇室典範のもとでは初めてのこととなります」(皇室ジャーナリスト)
◆70代半ばで即位できるのか
その秋篠宮の“即位辞退”発言が報じられたのは、新天皇が即位する直前、今年4月のことだった。
朝日新聞が朝刊一面に〈退位「一代限り」への問い〉と題した記事を掲載(4月21日付)。そこでは、2017年6月に現上皇の生前退位を実現する特例法が成立した後、秋篠宮が周囲の関係者に対して、〈兄が80歳のとき、私は70代半ば。それからはできないです〉と、高齢で即位することの難しさを語ったと報じられた。宮内庁関係者がいう。