来春スタートの朝ドラ『エール』の脚本家の降板が11月5日、NHKから発表された。この脚本家は、『離婚弁護士』『コード・ブルー』(いずれもフジテレビ系)、木村拓哉主演の『アイムホーム』(テレビ朝日系)などのヒットドラマを手がけてきた林宏司氏。
NHKは「制作上の都合」としか発表していないが、内情を知るテレビ関係者がこう証言する。
「降板の原因は、林氏と演出家の関係がこじれたためだと聞いています。この演出家は、過去に有名映画を複数作監督してきたヒットメーカーで、実績があるだけに林氏の脚本に意見を付けることも多く、納得できない林氏が9月のクランクインを前に降りてしまった。
林氏の降板後、台本はこの演出家に加え、新たに2名の脚本家を迎えて執筆し直しているそうです」(NHK広報局に聞くと「制作過程の詳細は回答を控えさせていただきます」とのこと)
近年は平均視聴率20%超の好調が続き、次作にも期待が高まるなか、クランクイン前にすでに降りていたという。「異例の事態」と報じられているが、芸能史を振り返れば、ドラマで世を騒がせた「降板劇」は多い。
朝ドラをめぐる降板劇も今回が初めてではない。1994年放送の『春よ、来い』では、ヒロイン役の安田成美が撮影途中で降板するという、朝ドラ史上に残る事件が起きた。
同作は橋田壽賀子氏が自身の半生を元に書き下ろした自伝的作品で、安田をヒロインにと強く希望したのも橋田氏だった。