皇嗣・秋篠宮は11月30日に54歳の誕生日を迎える。昨年の誕生日を迎えるにあたっての会見では、約1年後に迫っていた大嘗祭の費用について、「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」と疑問を呈し、さらにはその“問題提起”について宮内庁長官が「聞く耳を持たなかった」と明かしたことが波紋を広げた。
それだけに、「会見を前に、今年は秋篠宮さまからどのようなお言葉が飛び出すのか、宮内庁幹部は神経を尖らせていた」(皇室ジャーナリスト)という。
「会見自体はすでに11月20日に行なわれているが、情報解禁は誕生日当日の午前0時。宮内庁がピリピリしているだけに、各社は例年以上に情報管理に慎重です。ただ、大嘗祭の費用を巡る質問が出て、秋篠宮さまもお答えになったと聞いている。今後も、秋篠宮さまのご発言の機会のたびに、宮内庁は注意深く対応していくことになるでしょう」(同前)
その真意はどこにあるのか。皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこういう。
「秋篠宮さまは、尊敬する高松宮宣仁殿下から皇族としての姿勢のあり方を学ばれたのだと思います。昭和天皇が国民統合の象徴となり、弟の高松宮さまは宮家当主であると同時に、皇室のスポークスマン的存在としてご意見を述べるようにもなっていた。兄である今上陛下を支える上で、ご自身は“意見を述べるという役割”を意識されているのではないでしょうか。
秋篠宮さまは学習院大時代に法学者・芦部信喜氏のもとで学ばれ、以降も日本国憲法を熱心に勉強されている。大嘗祭の費用負担を巡る発言にしても、そうした知識を踏まえたお話だと感じました。大嘗祭は憲法に定められた国事行為にはあたらず、あくまで天皇家の私的行為。だから、その費用は内廷会計から出すべき、というお考えだったのではないでしょうか」