森友問題や加計問題など、これまでも数々の騒動があったにもかかわらず、安倍政権が「一強」を保てたのはなぜなのか。それは、官邸でも自民党でもなくただ安倍首相だけに尽くす“私兵”たちの支えによるものだった。
「桜を見る会」の私物化問題で安倍首相への批判が強まると、ネットでは、国会で追及に立つ野党議員や、首相に批判的なテレビ番組を攻撃する書き込みが拡散している。
そうした安倍擁護のネット論調を主導するための組織が、「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC)だ。自民党が野党時代の2010年に設立したボランティア組織で、「ネトサポ」と呼ばれる。
安倍官邸の宣伝工作は、メディアの内部にまで及んでいる。「桜を見る会」の追及が続く渦中の11月20日、永田町近くの中華料理店で安倍首相と新聞・テレビなど記者クラブ加盟各社の官邸キャップによる懇談会が開かれた。どんな会話が交わされたのか。
「首相は『(前夜祭の)会費5000円はホテル側が設定した』などと従来の主張を繰り返すばかりだったようです。記者からは厳しい質問はなく、中には『野党は追及することがコロコロ変わって何がしたいのか分かりませんね』などと疑惑を追及する野党側を批判する声も上がったそうです」(政治部記者)
そうしたお追従に気を良くした首相は言いたい放題。まず名前を挙げたのが、「徹底的にこの問題を問いただしていく」と宣言し国会追及の陣頭指揮を執る立憲民主党の安住淳・国対委員長だ。
「安住さんもニューオータニを会費1700円で使っていた。朝食会だからセーフだとか言うのかな。朝食会で1700円なら夜は5000円でできる」
首相が前夜祭を開いた同じホテルで安住氏が1人当たり1739円で朝食会セミナーを開いていたことを引き合いにして“オレはシロ”と強調したのである。