放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、イラストレーターの峰岸達(とおる)氏とともに書き下ろした、極上の「画文集」についてお送りする。
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気がつけば師走、ふりむけばヨコハマである。本当に年齢(とし)をとると1年なんてアッという間。この春まで平成だったんですよ、覚えてます? で、唐突ですがまた本が出ました。1か月前に小学館より『面白い人のことばっかり!』が出たばかりで、好評の内に他社からも出してしまおうという寸法です。もう70歳を過ぎれば大体の事は許されるでしょう。
小さい頃から大好きな世界で、またそれを上手に生業ともしてきた稼業です。「喜劇」そして「芸人の世界」です。私より少しばかり年上の高名なるイラストレーター峰岸達氏からこの春先に声を掛けられました。
「“文集”とか“画集”というのはあるけれど“画文集”というものは少ないと思うんだ。お互い大好きな芸人と喜劇人を書いて描いて1冊にしませんか。お互い“書きおろし”の“描きおろし”ということで年内には出しましょう」。
ページ数の調整などからおよそ30名、数百人いる大好きなコメディアンからしぼり切るのは至難の業。それでもこの私の、こと“笑い”に関しては比類なき博識とバッティングセンスでもってみごとに選びぬきました。『画文集 芸人とコメディアンと』(二見書房)は笑芸マニアには宝物となりそうな極上の1冊となりました。峰岸氏の愛情あふるるタッチとやわらかな色づかいが、ホッとさせクスクスッとさせ、ハッとしてグーです。