国内

新宿ホスト殺人未遂裁判・詳報1 「一緒に死のうね」

ガールズバーの店長だった高岡由佳被告(本人のInstagramより)

ガールズバーの店長だった高岡由佳被告(本人のInstagramより)

 12月3日、東京地裁でガールズバーの元店長・高岡由佳被告(21)の初公判が開かれた。事件が起きたのは5月23日。東京・新宿区のマンションで、高岡被告が20歳のホスト男性・琉月(るな)さんの腹部を刃物で刺し重症を負わせたこの事件、「好きで好きでしょうがないから刺した」といった供述に加え、警察に連行される高岡被告がうっすらと笑みを浮かべていたこと、ぐったりと横たわる被害者のそばで、両足を血に染めた高岡被告が平然とたばこをくゆらす写真がSNSで拡散されたことから大きな話題になった。ここでは、初公判の様子を詳報する。

 裁判は、東京地方裁判所818号法廷で開かれた。セミロングの茶色い髪をおろし、大きな眼鏡に黒いスーツ、薄い水色のブラウスを着た高岡被告は終始うつむき気味だった。

 起訴内容を蚊の鳴くような小さな声で、「間違いありません」と認めた高岡被告。被害者のホスト男性も減刑を求める嘆願書を提出しており、500万円の示談金、および被害者との接見禁止、歌舞伎町に近寄らないことを約束し示談が成立したことを明かした。

 証人として琉月さんも出廷。シルバーアッシュに染めた髪の毛に、片耳には大きなピアス、目にも鮮やかな紫色のパーカーという“歌舞伎町仕様”だ。被害者が法廷に入ってくると傍聴席からは高岡被告が入廷したよりも、大きなどよめきがおきた。事件後、はじめて顔を合わせることとなった2人。琉月さんが苦笑いしながら高岡被告のほうを見ていたことに反し、2メートルほど先の距離に座る高岡被告は下を向いたり、顔を背けたりして、被害者を一瞥する様子もなかった。

 公判では、高岡被告が犯行直前に携帯電話に残したメモも公開された。概要は、以下の通りだった。

〈お母さん、お父さん、○○ちゃん、××さん、□□くん(※被害者の先輩ホストの名前)ごめんなさい。私に関わった皆さますべてにごめんなさい。昔からずっと虚言癖がひどくて、虚言癖のあった私は、悲劇のヒロインになりたくて、美しくてはかないものになりたくて 何があって何がなかったことなのかわからない。親不孝でごめんなさい。バカな娘でごめんなさい。虚言癖で嘘か本当かわからなくなって、大好きな人ができて、どうしたら私以外を見なくなるのか、殺せばいいと思いました。何もない私に(聞き取れず)もう何もわからない。琉月くんと呼ぶのはなんだかお金って感じがしてイヤです。(被害者の本名)くんを愛してる。心の底からどうしようもないほど愛しているけど、お金としか見てくれなくても(中略)君は私に嘘の言葉しかくれなかった。僕はホストだからって。(中略)けれど死ねばそれが本当になる。だから今は大事にしたい。一緒にいられるなら何でもするから安心してね〉

 琉月さんの証人尋問が始まった。

──高岡さんとの関係は?
 平成30年10月頃、高岡さんが働くガールズバーで出会い、3月末から(自分の勤めるホストクラブに)頻繁に客として来るようになりました。
──どれくらいの頻度で来ていた?
 2日に1回くらいです。
──あなたを指名していた?
 はい。
──お金はどのくらい使っていた?
 数百万くらい。
──性的な関係もあった?
 はい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

屋根工事の足場。普通に生活していると屋根の上は直接、見られない。リフォーム詐欺にとっても狙いめ(写真提供/イメージマート)
《摘発相次ぐリフォーム詐欺》「おたくの屋根、危険ですよ」 作業着姿の男がしつこく屋根のリフォームをすすめたが玄関で住人に会ったとたんに帰った理由
NEWSポストセブン
人が多く行き交うターミナル駅とその周辺は「ぶつかり男」が出現する(写真提供/イメージマート)
《生態に意外な変化》混雑した駅などに出没する「ぶつかり男」が減少? インバウンドの女性客にぶつかるも逆に詰め寄られ、あわあわしながら去っていく目撃談も
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
大の里、大谷
来場所綱取りの大関・大の里は「角界の大谷翔平」か やくみつる氏が説く「共通点は慎重で卒がないインタビュー。面白くないが、それでいい」
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
CM界でも特大ホームラン連発の大谷翔平
【CM界でも圧倒的な存在感の大谷翔平】「愛妻家」のイメージで安定感もアップ、家庭用品やベビー用品のCM出演にも期待
女性セブン
堀田陸容疑者(写真提供/うさぎ写真家uta)
《ウサギの島・虐殺公判》口に約7cmのハサミを挿入、「ポキ」と骨が折れる音も…25歳・虐待男のスマホに残っていた「残忍すぎる動画の中身」
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン