近年の有名人による薬物事件の“舞台”として多いのがクラブ。薬物を使っている人と知り合ったり、実際に使ったりする場面として、繁華街のクラブのVIPルームが重要な拠点として浮上する。そうしたクラブでは、時にタレント自らがDJとして音楽を爆音で流して、場を盛り上げることもある。
2009年に覚せい剤で逮捕された酒井法子も西麻布のクラブ「A」のVIPルームの常連だった。「部屋では堂々とドラッグが使われていた」(クラブ関係者)という証言の多い店として知られ、酒井自身がDJとしてターンテーブルを操りながら、気が狂ったように頭を振っている姿も目撃されていた。
薬物を常用する人にクラブ好きが多いということもあるだろうが、それよりも重視されるのが「閉鎖性」だという。
「本格的な中毒者はヤリ部屋と呼ばれるクスリ専用の部屋を使いますが、そこまでじゃない人は、クラブのVIPルームや知人が経営しているバーなら、素性のわからない人が入ってくる心配がないのでそういう場所に集まることになります」(イベント関係者)
薬物の入手ルートも、ごく狭いところに限定される。常用者が最もこだわるのは、“クスリの質”だという。違法薬物に詳しいジャーナリストはこう話す。
「タチの悪いプッシャー(売人)の場合、薬物をかさましするために、砂糖などで“混ぜもの”をすることがある。変なものが入っていると具合が悪くなったり、最悪の場合死ぬこともあります。
薬物は身体の感覚を最大限に鋭敏にさせるものですから、皮肉なことに、薬物常用者ほど副作用に敏感なんです。だからより純度の高いものを持ってきてくれるプッシャーが重宝がられる。東京なら、渋谷よりもお金持ちの多い六本木の方が、良質なドラッグが手に入るといわれている」