東大発のベンチャー企業「TDAI Lab」が発表したウェブサイト『WISE RAMEN AIが選んだ本当に美味しいラーメン百名店 in 東京2019』が話題だ。その名の通り、独自開発したAI(人工知能)を駆使した格付けだというのだが……上位に並ぶ顔ぶれはグルメ雑誌の特集などで取り上げられる店と大きく違っているのだ。
1位が秋葉原の「青島食堂」、2位「ラーメン二郎ひばりヶ丘店」、3位「ラーメン二郎三田本店」と、トップ3にラーメン二郎が2店も入っているのだ。
ラーメン二郎といえば、サイズ「小」で普通のラーメンの2.5杯分あるその量と、背脂が浮く濃厚豚骨スープ、そして店内に飛び交う“ヤサイマシマシカラメアブラ”といった「コール(トッピング注文)」の複雑さゆえに、“万人受け”するとは言い難い。
その二郎がなぜ上位に? AIを開発した「TDAI Lab」代表で東大大学院博士課程在学中の福馬智生氏は「僕は二郎が好きですが、それはランキングとは無関係です(笑い)」と説明する。
「AIが判断したのは味そのものではなく、その店につけられたレビュー(評価)の信頼度です。例えば『何にでも星5つをつけている人』や『何にでも星1つをつけている人』は、信頼性が低いものとしてAIが処理し、ランキング化しています。ラーメン二郎は、それだけ“信頼できる人が評価した”ということです」
いってみれば「特定の店に高評価の書き込みをして“布教”したい」と考える熱烈なファンが多い店が上位になりやすいというわけだ。たしかに、ラーメン二郎には「ジロリアン」を自称するファンが存在する。