全国紙社会部記者が話す。

「鋭利な刃物で、首のあたりを切ったそうで、職員室には相当な量の血が流れていたそうです。遺体のすぐ近くに遺書が残されていたので、県警はすぐに自殺と断定しました。

 わざわざ週末の職員室に忍び込んでの自殺だったので、学校側やほかの教諭に対して、何か抗議したいことがあったのだろうと推測されます。

 遺体発見の1時間前、A教諭の家族から警察に行方不明者届が出されていたので、家族は何か異変を感じ取っていたのかもしれません」

 A教諭は、楽器の演奏経験はないという。だから、演奏会やイベントの準備など、献身的にバンド活動のサポートをしてきた。死を目前にしても、最後までバンドのことを思っていたようだ。前出の地元教育関係者が声をひそめる。

「遺書には、マーチングバンドのことが書かれていたそうです。これからも演奏を続けていってほしいこと、ドラマを放送してほしいこと…。

 ほかには、学校上層部との人間関係の悩みが綴られていたそうです。ご遺族は学校に不信感を持っていたのか、葬儀に参列した学校関係者は、顧問のS先生だけだったそうです」

 A教諭の妻は、「今は悲しいということでいっぱいで、お話できる状況ではありません」とだけ語った。

 12月9日、地元の音楽祭でマーチングバンド部の部員たちは、いつものように熱い演奏を披露した。S教諭が語る。

「参加するかどうか、生徒たちと話し合いました。“みなさんも楽しみにしてくれているし、自分たちも元気になるきっかけにしたい”と参加を決めました。Aさんのことについては、私の立場からは申し上げられません」

 その日、部員たちが演奏したのは、A教諭が好きだった『見上げてごらん夜の星を』だった。

※女性セブン2020年1月1日号

前評判は良かったのだが(ドラマの公式HPより)

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