家族にインフルエンザ患者が出たら、別室に隔離すべきだとはよく知られている。とはいえ、食事の世話をはじめ、家族が看病しなければならない場面は少なくない。そんなとき、どうすればよいのか。
日本感染症学会インフルエンザ委員会委員で東京病院統括診療部長を務める永井英明医師が解説する。
「看病するのは家族の1人に絞り、部屋に入る際は必ずお互いにマスクを着用するべきです。飛沫感染を防ぐために、会話時には1.5m以上の距離を取るのが望ましい」
何だか病人に冷たいようにも思えるが、家族が交替で世話をするのは、かえってリスクになるのだ。
インフルエンザウイルスは発病前日から最大で1週間ほど潜伏し、患者の鼻やのどからウイルスが排出される。感染拡大を防ぐには、排出されたウイルスを除去しなければならない。
「ウイルスは手や指を介して接触感染します。患者が触ったドアノブ、リモコン類などをアルコール消毒し、家族も手洗いや消毒をすることが大切です。
平熱に下がって元気になっても、リビングには出ず、2日程度はできるだけ別室で過ごしたほうが良いでしょう。学校保健安全法では発病から5日、解熱から2日が経ってから登校するよう定めていますが、家庭内でも同様です」(永井医師)
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