12月9日、56才の誕生日を迎えられた皇后雅子さまは、一年を振り返ったご感想文書を発表された。雅子さまにとって皇后となられて初めてのご感想文書。その発表までの道筋は、一筋縄ではいかなかった。
もともと今回の文書は宮内庁が担当記者に向けて、誕生日3日前の12月6日17時半に、前もって配布する予定だった。各社が報道の準備をするためだ。
しかし、実際に渡されたのは誕生日前日8日の夕刻だった。それは、再三の「公表延期」が原因だったという。
「公表が予定されていた6日の午後、『今日は文書が出ない』と宮内庁から連絡がありました。続けて『8日の午前10時に出す』と伝えられ、2日後ろ倒しになりました。
ところが、その8日9時半頃、宮内庁からさらに『文書発表は夕方になる』と連絡があったんです。2度にわたっての延期で驚いた人もいたそうです」(皇室ジャーナリスト)
なぜ予定通りにいかなかったのか。それは、「雅子さまがご多忙の中で、誕生日前にもお疲れが残っていたから」(宮内庁関係者)だという。
雅子さまは12月3日、天皇陛下とともに東京・八王子市にある昭和天皇陵と大正天皇陵で、即位礼と大嘗祭が無事終了したことを奉告する「親謁の儀」に臨まれた。翌4日には皇居・宮中三殿で親謁の儀に臨まれ、さらに宮中三殿の賢所で、「御神楽の儀」に臨まれた。
「御神楽の儀で即位に関する行事はすべて終了しました。極度の緊張感の中で細かい所作を求められる、一世に一度の重要儀式の連続で、雅子さまのお疲れはピークに達していたはずです。地方への行幸啓での行事では、お疲れの表情を浮かべられ、ふらつかれる場面もありました。
しかし、そうした行事の合間にも、文案について気にかけていたそうです。国民にしっかりと感謝の思いを伝えたいというお気持ちが強く、最後の最後までご自身で推敲を重ねられたのだと思います」(前出・宮内庁関係者)
◆儀式を終えられてホッとされた笑顔
文書と併せて公開されたご近影写真が撮られたのは、12月3日の夜のことだったという。
「例年にも増して、輝くような笑顔で写っていらっしゃいます。お疲れの色は濃かったと思いますが、即位関連の儀式をすべて終えられる目前で、ホッとされたという笑顔でもあったのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
文書と併せて公表された雅子さまの主治医による「医師団見解」には、次のような記述があった。