NHK紅白歌合戦の主役は歌だが、雑多なジャンルから様々な歌手やグループが出場する番組のため、全体を整えるための様々な工夫があった。2019年大晦日で放送70回の節目を迎えるなかで生み出された意外なウラ話を、最新刊『紅白歌合戦ウラ話』が話題の合田道人(ごうだみちと)氏に聞いた。
■セクシーすぎて「吐息」が「ラッパ」に変更させられた曲がある?
青江三奈『伊勢佐木町ブルース』前奏の“あは~ん”の溜息が色っぽすぎるため、本番は水前寺清子らが代わりにラッパを“ぷ~ぷ~”と鳴らした(第19回)。
「2回目に歌唱した時は“あは~ん”が許されて、司会の黒柳徹子が“ため息紅白初出場です”と盛り上げました(第33回)」(合田氏)
■初めて「メドレー」を披露したのはあの“スーダラ男”?
中尾ミエ、伊東ゆかり、園まりが“ハイハイ3人娘”として出場し、ワンコーラスずつ歌唱。対する白組の植木等はクレイジー・キャッツとして『どうしてこんなにもてるんだろう』『ホンダラ行進曲』の2曲を披露し、この対戦がメドレーの走りとなる(第14回)
■1ステージで最も長い時間演奏した歌手は?
長渕剛。ドイツ統一の1990年に紅白初の海外中継が行なわれ、ベルリンから出演。ギターのチューニング30秒は無言。スタッフを非難したかと思えば、史上最長となる3曲16分の独演会を行ない、傍若無人ぶりが物議を醸した(第41回)