ツールがいかに進化しようとも「読解力」がなければコミュニケーションはうまくいかない。「大人力」について日夜研究を続けるコラムニストの石原壮一郎氏がガイドする。
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〈日本の子どもの「読解力」が8位から15位に急落!〉
12月3日に、そんなニュースが流れました。世界各国の15歳の学力を測る「国際学力調査」(PISA)の「読解力」の分野で、日本の子どもの順位が前回の8位から15位に大きく下がったというものです。この調査は経済協力開発機構が、世界各国の15歳の学力を測るために3年ごとに実施しているもの。今回は世界79の国と地域が参加しました。
ちなみに他の分野での日本の子どもの成績は、「科学的応用力」が5位(前回2位)、「数学的応用力」が6位(前回5位)と、なかなか健闘しています。上位3カ国の顔ぶれと順位は3分野すべて同じで、1位「北京・上海・江蘇・浙江」、2位「シンガポール」、3位「マカオ」でした。
この結果をどう受け止めればいいのか、深刻なのかそうでもないのかなどについては、いろんな意見があるでしょう。それこそ読解力がなさそうなタイプの大人は、脊髄反射で「近ごろの子どもは本を読まないからだ!」「インターネットやスマホがいけないんだ!」などと言いそうですけど、きっとそういう問題ではありません。
子どもの「読解力」も大事ですが、今の日本でもっと深刻なのが、大人の読解力の低下です。ネットのコメント欄やSNSには、勝手に読み間違えて怒っている人や、そこに書いてあることを得意気に説明したり尋ねたりしている人の多いこと多いこと。懇切丁寧に説明しているのに、まったく通じていない光景もよく目にします。
とくにネットの世界に顕著ですけど、世の中が殺伐とした雰囲気になっているのは、読解力のない大人があまりにも多いからではないでしょうか。しかも本人には自覚がないので、恥ずかしげもなく的外れな理屈で他人を攻撃したりします。
そんな状況に一石を投じるべく、僭越ながら「大人の読解力検定」を作ってみました。じつは自分は読解力がなかったんだと気付くもよし、どうやら大丈夫らしいとホッとするもよし。よかったらチャレンジしてみてください。