NHK紅白歌合戦の常連歌手として34回出場の記録を持つ小林幸子。視聴者の度肝を抜くド派手な衣装は紅白名物となり、美川憲一との衣装対決やメガシリーズなど数々の“伝説”が生まれた。
そのきっかけは何だったのか。小林が振り返る。
「1年を締めくくる大きなお祭りとして楽しんでいただけたらと、おまけの精神で衣装を派手にしたのが始まりです。小林幸子ならではのオリジナリティを大切にしつつ、スーパー歌舞伎やラスベガスのショーなどの世界観や技術を参考にしました」
製作期間は4か月。メカニックや特殊加工、ヘッドドレスなど、時には100人態勢で製作に臨み、NASA開発の特殊リフトで高さ8メートルまで上昇する「火の鳥」(第57回)や総重量3トン、高さ8.5メートルでNHKホールの天井の限界に挑んだ壮大な「メガ幸子」(第60回)など、記憶に残る名作は数知れない。
「『メガ幸子』はこれまでにはなかった“笑い”が生まれて、歴代で一番インパクトがあったと自負しています。高さ12メートルのフライングを採り入れた『冬の鳥』(第42回)では宙に浮いたまま両腕の羽も羽ばたかせたため発声する際にお腹に力が入らず、紅白に向けてスポーツジムで腹筋を鍛えました。高い所は大好きなので、本番のステージはとっても気持ちよかったですよ(笑い)」
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その緻密さと豪華さから製作費は億単位と噂されている。