やって見せ、言って聞かせてさせてみて…ほめるどころか、「早くしなさい!」と叱りたくなることもある。しかし、今や親でも、体罰は御法度──。“愛のムチ”で育った大人たちにとって、体罰が許されないしつけは、簡単なことではなくなっているようだ。
そこで、しつけに関する一般的な質問に対し、教育の専門家が適切な回答をしてくれた。
◆自分は叩かれて育ちました。“愛のムチ”も必要だと思うのですが、どうなんですか?
A. あなたが今立派な大人なのは“叩かれたから”ではないはずです。
暴力や怒鳴ることは「親に逆らうな」「謝りなさい」という感情的な“調教”です。痛みと恐怖が伴うので即効性はあるが、「なぜ悪いのか」を考えさせることはできません。(幼稚園や保育者向けセミナーなどを運営する『りんごの木』代表の保育者・柴田愛子さん)
◆叩くのも怒鳴るのも嫌だけど、甘やかすこともしたくないのですが、どうすればいいのですか?
A.“叩かない”と“甘やかす”は違います
「おもちゃが欲しい」と言う子に何も聞かずに買い与えたら“甘やかし”。駄々をこねたからといって手を上げて黙らせると、それは“虐待”です。欲しい理由を尋ねて「これ、かっこいいよね。でも、クリスマスまで待とうね」と、子供の気持ちを受け入れたうえ、親の言い分も伝えるのが理想。(一般社団法人こころぎふ臨床心理センター代表理事の長谷川博一さん)
◆思わず子供を叩いてしまった。どうすればいい?