──他商品への相乗効果は?
近藤:1000円、あるいは1500円のパック商品も好調です。キリのいい価格設定も意識しています。500円だったら480円、1000円だったら980円にしたほうがお得感があり、消費者への訴求効果があると言われますが、当社の場合は少し違う。ケンタッキーの商品は「安いから買うもの」ではなく、どちらかと言うと「ワクワク感で買って頂くもの」ですから。そこでキリのいい価格を徹底し、敢えて価格表示も目立つようにしています。
──10月の消費増税に伴う軽減税率の導入でテイクアウトは8%、イートインは10%と税率が異なりました。外食企業の対応は分かれましたが、ケンタッキーはテイクアウトとイートインの価格を税込みの同額に設定しています。
近藤:当初は税抜き価格表示にして、お持ち帰りは8%、店内飲食は10%にしようとしました。しかし実際にメニューの価格を書き換えて見てみたら、細かい端数の金額が並び、これではとてもお客様の心を引きつけられないと思い直した。その結果、お客様にわかりやすい価格訴求を実現できたと考えています。
【PROFILE】こんどう・まさき/1955年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、1978年三菱商事入社。1985年コロンビア三菱商事。食品本部コーヒーマネージャー、伯国(ブラジル)三菱商事社長、生活産業グループCEO補佐(人事担当)を経て、2014年から日本KFCホールディングス株式会社代表取締役社長。
●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号