「やっと時間ができたので、ゆっくりお邪魔することができました」。品のよいマダムに話しかけ、優雅にパスタを口に運ぶ。カウンター席で満足げな表情を浮かべ、ディナーの時間を楽しんでいたのは鈴木京香(51才)だ。
回を追うごとに平均視聴率を上げ、「見応えNo.1」といわれるドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)で、“絶対味覚”を持つオーナーシェフを演じている京香。最終話(2019年12月29日)に向けて、ドラマは盛り上がりを見せている。撮影で多忙なスケジュールの中、束の間のオフに向かった先が冒頭、東京・広尾にある隠れ家的なイタリアン「H」だった。カウンターのほかに、いくつかテーブルがあるだけだが、コンクリート打ちっ放しの床にデザイナーズチェアを合わせた居心地はいいけれどモダンな雰囲気は、ドラマ中のレストラン『グランメゾン東京』にも重なる。
「ここは日本のイタリアンの草分け。シェフは昭和から平成にかけて日本のイタリアンを牽引した人物で、人材育成にも長けていました。今、人気と実力を兼ね備えたイタリアンの中には、彼の店の卒業生が何人もいます。そんなカリスマシェフは一時、病気で一線を退いていたのですが、病状が回復して開いたのが、この『H』です。お客さんと会話を楽しみたいという思いから、あえて小さなお店にしたようです」(料理誌編集者)
残念ながらシェフは2016年に亡くなってしまったが、現在は二人三脚で支えてきた妻が“マダム”として店を切り盛りしている。そのマダムの人柄に惹かれて、今でも多くの著名人が通い詰めている。京香もその1人だ。