「YouTuberにちゃんとしている人なんています? 保証もないし。大丈夫ですか?」──タレントでモデルの“ゆきぽよ”こと木村有希(23)の発言が物議を醸している。ライター・井上絵美里氏が、ゆきぽよ発言の背景を考察する。
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騒動となった発言は、12月13日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)の番組内で行われた。人気YouTuberとの交際を認めたフジテレビアナウンサー・久代萌美(30)に対し、ゆきぽよが「YouTuberにちゃんとしてる人なんています?」と言い放ったのだ。その発言に、SNSでは「芸能界も不安定じゃん」、「YouTuberは立派な職業」と抗議の書き込みが殺到し、炎上している。
一部のYouTuberが大金を稼いでいるのは広く知られているし、将来が不安定という点は芸能界に生きるゆきぽよも変わらない。自らもYouTubeチャンネルを開設しているゆきぽよのことだから世間には広く活躍しているYouTuberが多いことを知らないわけがないから、テレビ的な「ネタ」として発言しただけかもしれない。が、発言の背景にはテレビ業界で活動している人によく見られるYouTuberへの「上から目線」があるのかもしれない。
◆YouTubeを見ていないテレビ業界人
「小学生が将来就きたい仕事」の上位にYouTuberが登場してからずいぶん経つ。職業の一つとして社会に認知されたものと思っていたが、テレビ業界では事情が違うようだ。
私がYouTubeチャンネルを立ち上げたことをテレビ業界の人に伝えたときも、面白がってくれる人がいる一方で、「どうせ遊びでしょ?」とか、「お金にならないだろ」と端から見下したようなことを言う人もいた。
そもそも私の知る限り、YouTuberの動画を見ているテレビ業界人はほとんどいない。「最近、YouTuberの動画ばかりを見ている」と話したら、ある業界人に「誰が見てるんだと思ったら、ここにいた!」と驚かれたことさえある。
多忙を極めるテレビ業界の人たちには、YouTubeを視聴する時間などないのだろう。私自身、お笑い芸人のマネージャーとして働いていた頃は「テレビが好きで業界に入ったのにテレビを見る時間がない!」と上司に文句を言ったこともある。自由な時間があったとしても、YouTubeではなく地上波の番組をチェックするであろうことも理解はできる。